2009年09月25日
テニスのウィンブルドン選手権はロンドン郊外のオールイングランド・クラブが舞台だ。当日券を求めて朝8時半に並んでみた。この日の試合は正午始まりだった。
会場隣の公園を埋め尽くすように入場待ちの列が延びていた。手渡された整理券は一万番台だ。「行列の仕方」という冊子も配っている。「横入りは厳禁」「バーベキューは禁止」とおせっかいな中身。地元客は慣れたもので、皆、芝に寝そべって日光浴を始めた。
3時間待っても数メートルも進まない。8時間後、夕方4時半に入場口にたどり着いた。お目当ての試合は終わっている。
英国人は言う。「待つ楽しみもウィンブルドンさ」。振り返ると列はまだ何100メートルも続いていた。日暮れまでに入場できない人もいるだろう。王室席がある華やかなセンターコートのテレビ中継には映らない、一般ファンが大会の人気と伝統を支えている。 (松井学)