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ライプチヒ 荘厳な音の雨に感動

2009年09月26日

 バッハゆかりの地、ドイツ東部のライプチヒで毎年初夏に開催される「バッハ音楽祭」を訪ねた。地元はもちろん、世界各地から音楽家が集まり約10日間、街はバッハ一色になる。

 主催するバッハ資料財団によると、ここ3年ほどで日本人の姿がじわじわと増えている。せいぜい200人だったのが、今年は420人。国外から来訪する数ではオランダ、フランス、イタリアといった隣国に次ぐ。米国よりも多い。財団は「口コミとはすごいものです」と話している。

 日本人のバッハ好みも人気の秘密のようだ。バッハがカントル(教会楽長)を務めたトーマス教会での閉幕コンサートではミサ曲ロ短調が響き渡り「やっぱりCDで聴くよりもすばらしいね」と日本語が聞こえた。

 観客が教会を出るころ、外は時ならぬ雷雨。教会の中で感動の余韻をもう少し味わうことができた。 (弓削雅人)