2009年07月21日
上海など中国の街では「和諧(調和)」と書かれた看板が目につく。胡錦濤政権のスローガンだが、社会の格差は広がるばかり。
そして、「和諧」はネット上で、「情報規制」を意味するようになった。政府が「調和社会」の名の下にしばしばネットを遮断することから、皮肉を込めて使われ始めた。
さらに、サイバー警察の摘発を逃れるため「和諧」は中国語で発音が同じ「ヘーシエ」の「河蟹」へと転じられ、若者を中心に流行している。
最近、その「河蟹」マークの帽子をかぶる美少女の漫画がネットで人気だ。政府が普及を目指すパソコン検閲ソフトのイメージキャラクターを、誰かがちゃかして「情報規制の妖精」として描いた。
「上に政策あれば、下に対策あり」。たくましい中国人たちは規制も遊びに変えてしまう。友人は「検索ソフトは簡単に外せるし、規制されているユーチューブだって見る方法はあるよ」と笑った。 (小坂井文彦)