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台北 『光』に影差し一大事

2009年07月15日

 台湾の新聞が同じニュースをこぞって一面に掲載することはまれだ。激しい政治対立を背景に、新聞の論調も与党国民党系と野党民進党系にはっきり色分けされているからだ。

 そのまれな事態が7月6日に起きた。主要4紙が一面で取り上げたのは米大リーグ・ヤンキース、王建民投手の右肩負傷。それも、聯合報以外はいずれもトップ記事だった。

 王投手は2005年にメジャー昇格。高速シンカーと抜群の制球力で06、07年と連続して19勝を挙げ、ヤンキースのエースにのし上がった。世界に名をはせる台湾人大リーガーだけに、台湾での人気は尋常ではなく「台湾の光」として愛されている。

 しかし、今季はまだ一勝と不調。その上の戦線離脱は「想像できない!」(蘋果日報)事態だけに、一面扱いは当然なのだろう。ちなみに6月は、4紙一面の共通ニュースはただ一度、マイケル・ジャクソンさんの急死だった。

(栗田秀之)