2009年10月15日
ジャカルタで、フィリピン語(タガログ語)を話せるインドネシア人女性に出会った。といってもごく簡単な会話だけだが、どこで覚えたのかを聞いて驚いた。
彼女がタガログ語を覚えたのは、日本のある地方都市。興行ビザで働きに行ったときのことだった。夜の街で日本人を相手に仕事をしていたが、仕事仲間はみなフィリピン人。すみかも彼女たちと一緒だった。
何人ものフィリピン人の中に1人だけインドネシア人が交じるのだから生活のほとんどはタガログ語。覚えないわけにはいかない。インドネシア語との間には共通する単語も多く、覚えやすい面もあったのだろう。
インドネシア人が日本で覚えたタガログ語を話すのを聞きながら、自分が思い込んでいるアジアの地図と、彼女の頭の中にある地図は違う形をしているのかもしれない、という奇妙な感慨にとらわれた。 (吉枝道生)