2009年10月22日
一滴の水も飲まずに90分間、サッカーをする-。想像しただけでバテそうだが、エジプト代表選手たちが近くその難事に挑むことになった。
イスラム教徒が日中、食べ物も水もとらないラマダン(断食月)の真っ最中に行われる、ワールドカップ(W杯)アフリカ予選のルワンダ戦。敵地で、まだ暑い午後のうちに試合が始まる。
コーランは旅先での断食の中断を特例として許しており「選手は水を飲んでもよい」と語る聖職者もいる。だが最近、新聞紙上で監督は「断食続行を決めた選手たちを誇りに思う」と語った。
信心深い選手たちの心境を、サッカー通の支局助手が解説する。
「試合中にミスをすれば『断食を破ったから神に見放された』とパニックになる。神と一緒に戦う方がよいのです」
もし負ければ、W杯の夢がほぼ消える大一番。優先すべきは体調よりハートらしい。
(内田康)