2009年11月05日
米ロサンゼルスから北へ車でおよそ2時間。ランカスターの乾燥地帯に2万4千枚の鏡がずらっと並んでいる。それぞれ縦約1メートル、横約1.5メートル。すべての鏡が太陽に向いているように見えるが、よく観察すると微妙に角度が違う。
反射した太陽光は、鏡の隊列の横にそびえる高さ約100メートルの塔の上に集められる。集光板は強力な太陽光エネルギーを受けて、真っ昼間でもダイヤモンドのように白く光り輝いている。蒸留水をポンプで塔の上部まで押し上げると、水は太陽光の熱で沸騰。蒸気の力でタービンを回し発電する。
家庭の屋根に付いているようなパネルで太陽光を直接電力に変換する方式は効率、エネルギー貯蔵などに難点があるといわれる。鏡で太陽光を集めて蒸気を作りタービンを回す太陽熱利用方式の発電は、今後有望な代替エネルギーとされ、米国ではつい最近実用化したばかりだ。 (野口修司)