2009年11月15日
中国建国六十周年を迎えた日の天安門広場は丸一日、劇場化した。
「人工消雨」作戦が見事に成功した青空の下、学生ら八万人で埋まった同広場では、朝から晩まで一糸乱れぬ兵士の行進や歌、踊り、人文字が躍動。夜空に花火が乱舞し主役・胡錦濤国家主席をもり立てた。準備と努力に敬意を表したい。
しかし舞台裏はバタバタだった。外国メディアへの取材パス発行は前日の深夜十一時。厳戒態勢の市内は至る所で通行止め。やっとのことで、翌一日午前六時に集合場所にたどり着いた。パレード開始の四時間前だ。
準備中の広場では路上で眠りこける参加者も。何日も徹夜で練習を重ねた疲れだろう。武装警察も、パレードをバックに記念撮影。夜の花火の時はテレビに映らない場所でやけくそ気味に踊り、スカーフなどを放り投げていた。画一的なマスゲームより舞台裏の方が印象に残った。 (安藤淳)