2009年11月19日
「あなたの空気は私の空気。気遣いを」。キューバで見かけるいまひとつピンとこないスローガンは、他国では「スモーキング・キルズ(喫煙は人殺し)」と書かれていたりする。そう、たばこの箱の警告表示だ。
葉巻で有名なキューバでは、生活必需品と同様、成人一人に毎月四箱配給される。財政難の政府は食料の配給量を減らしているのに、たばこは入院患者にも配給されているという。
レストランでもホテルのロビーでも、卓上にさっと灰皿が出てくる。日本や米国では久しく見かけなくなった風景だ。ホテルの支配人に聞くと「観光客も大半は喫煙好きの欧州客で、大して苦情はない」とのこと。
キューバは米国との関係を改善し、観光客誘致を図ろうとしている。支配人に「米国人が来たら灰皿は撤去ですね」と聞くと、「だから米国人はなあ…」と複雑な表情だった。 (阿部伸哉)