2009年11月16日
ニューヨーク州中部のユーティカでミャンマーの亡命僧侶に会うためニューヨークからトロント行きに乗った。カナダの象徴「カエデの葉」を意味するメープル・リーフ号は、ディーゼル機関車に引かれ、ハドソン川の左岸をさかのぼる。
対岸は、むき出しになった岩肌の上下を、山吹色や赤茶色に色づいた木々が覆う。1時間半ほどでラインクリフという村に着いた。ドイツやオランダを流れるライン川の「崖(がけ)」の意味だ。
この地へ移住してきたオランダ人やドイツ人がハドソン川をライン川に見立てて名付けたとされる。近くにはアムステルダムという地名もある。
ふと、知り合いの米国人男性の言葉を思い出した。「日本人はよく『日本には四季がある』と自慢するが、米国にも四季はある」。そう、紅葉の美しさは決して日本だけのものではない。郷土愛はひとりよがりになりがちらしい。
(嶋田昭浩)