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ブダペスト なじんだ文化に舌鼓

2010年01月18日

 ブダペスト市内を歩いていたら、市場の建物に描かれた日の丸の大ポスターが目に入った。「日本の日」とある。今年は日本とハンガリーの外交関係開設140周年。中をのぞいてみると、日本の物産展が開かれていた。緑茶や盆栽、漫画、フィギュア、合気道の本まで並んでいる。

 買い物客の興味はやはり「実演すし」に集まっていた。欧州でも日本食は健康的として関心が高く、店も数多い。それでいて「日本と同じすし」には、なかなか出会えない。

 地元の板前2人が目の前でつくる。物は試しと注文して驚いた。ネタの鮮度も高く、何よりシャリのほどよい握り加減がまさに日本のすしだった。

 聞いてみると、市内の日本料理店で働いているという。ハンガリーに海はないが、主要民族マジャール人は東方系で、名前を日本語と同じように姓名の順に表記する。修業の成果が詰まったすしの味も、共通性ゆえの味と納得してみた。 (弓削雅人)