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ニューヨーク 明日への希望 ともし

2010年01月26日

 「ドンデエスタ ラ キンタアベニダ?」。先日、支局近くを移動中、中南米系の家族連れに話し掛けられた。(え、金太が何…)と一瞬たじろぐと、たどたどしく「フィフスアベニュー?」と問い直され、「ああ、こっちですよ」と指さした。そういえば最近は道案内の機会が多い。

 年末から年明けにかけ、5番街のロックフェラーセンターには、「全米一有名なツリー」を見に世界中から観光客が殺到する。今年は1月7日まで点灯されていて、周辺はお菓子や似顔絵などの露店も出て大にぎわい。その光景は、日本の初詣でにも似た感覚だ。

 ツリーの伝統は1931年、同センターの建設に携わる労働者たちが小さなツリーを立てたのが始まり。大恐慌時代、泥とがれきだらけの建設現場に立ったツリーは労働者たちの誇りだったという。

 折しも当時以来の不況下で、暗い話題の多い昨今。ツリーの明るい光で、たくさんの人が元気を得られたことを願う。 (加藤美喜)