2010年02月23日
台湾8番目の「国家公園」(国立公園に相当)として誕生したばかりの「台江国家公園」。台南市と台南県にまたがる公園内にはトキの仲間で、絶滅が危惧(きぐ)されるクロツラヘラサギの世界最大の越冬地がある。
見渡す限りの干潟。今冬も世界で確認されている3分の2弱の約1200羽が飛来した。観察小屋から眺めると、数100メートル先に群れがたたずむが、肉眼ではさっぱり分からない。持参のカメラでも撮影にはおぼつかない。
思案していると、幸い地元の野鳥ファンが特大の望遠レンズを貸してくれた。名前の通り、黒い顔にへら状のくちばしがはっきり見て取れる。
ところが鳥たちは微動だにしない。日中はあまり動かないという。それでも「飛べ、飛べ」と凝視していたら次々に飛び立ってくれた。幸運が重なりモノにできた貴重なショット。ただし、不運にもボツとなったが…。 (栗田秀之)