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台北 “欠かせぬ脇役” 公認

2010年03月26日

 台湾の行政院(内閣)が、一部の映画館で禁止されていた外部からの飲食物の持ち込みを解禁した。館内の売店のじゃないと駄目、というのは「消費者に不公平」というのが理由。台湾人は何かをつまみながら映画を見るのが大層好きだ。

 台北で初めて台湾人と一緒に映画を見た時のこと。何はなくとも「ポップコーンが欠かせない」と、売店に直行。スクリーンに没頭したいから飲み物だけにすると「食べながらでも集中できる」とたしなめられた。

 金沢市出身の技師八田與一氏の功績を描いたアニメ映画試写会で、観賞に訪れた李登輝元総統夫妻にスタッフがポップコーンを差し入れたのを見て、さらに納得した。

 元総統がポップコーン好きか否かは別として、半ば公式の場で要人にポップコーンが用意されたのだ。もはや好みではなく台湾では「映画は食べながら見るもの」なのだろう。  (栗田秀之)