2010年03月13日

　コロンボのホテルで、６０歳代と思われる日本人観光客３０人ほどが日本料理店に入るのを見かけた。スリランカ大統領選を取材した今年１月末のこと。気になって地元旅行社の知人に日本人観光客について尋ねた。

　「昨年５月の内戦終結まではほとんどいなかったが年末から日本人客も増えた」とシンハラ人の知人。仏教施設を巡る高齢者もいるという。

　観光客回復の一方で、コロンボ市民の経済面での不満は強かった。コメなどの主要食材が内戦終結後、値上がり。「内戦が終わったのに、なぜ」「生活は厳しくなった」との声が聞かれた。

　「治安さえ維持できれば観光面は良くなっていく」と知人。だが今後は、国民が生活改善を実感できるような経済政策が重要だという。「内戦後の経済復興への国民の期待は大きい。失敗すれば不満の声もさらに大きくなるだろうから」

　（古田秀陽）