2010年05月28日
中国の役所の多くに「為人民服務」(人民のために奉仕を)という標語が大きく掲げられている。
雪が降りしきる夜7時ごろ家族で近くのホテルに夕食に行った。だが、いつもと様子が違う。全国人民代表大会の代表団が宿泊していた。ホテルの玄関前で、武装警察二人に進入を阻止された。
夕飯を食べに来たと伝えると、「待て。上と連絡を取るから」。無線で問い合わせをしているが待てど暮らせど連絡はなし。子供二人は凍えて固まっている。抗議したが「とにかく待って」の一点張りだ。10分近くも待ちぼうけの後、「どうぞ」の一言。「すみません」の一言もない。
不愉快な気分で食事を終え店を出ると、近くに別の出入り口があり、出入りは自由ではないか。まさに「頭隠して尻隠さず」だ。一言教えてくれてもいいのに。さすがに、捨てぜりふを吐きたくなった。「為領導人(指導者)服務!」。武警の顔が引きつった。
(安藤淳)