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北京 官製の網で世論操作

2010年06月14日

 「中国からとっとと出て行け!」-。米インターネット検索大手、グーグルが中国本土からの撤退を表明すると中国のネット上はグーグル批判の書き込みであふれた。

 ネット検閲撤廃を求めたグーグル支持派も少なくないはずなのに-と違和感を覚えていると事情通が明かしてくれた。「“五毛党”の仕業に違いありません」

 五毛党。五毛(約7円)で、当局や企業など依頼主に都合のいいことを書き込むネット評論員だ。当局の場合、自らに有利な書き込みをさせるよう五毛党を取りまとめる業者に圧力をかけ、市民が自由に意見しているかのように装いつつ世論を誘導するのだという。

 中国は、当局にとってマイナスになる人権などの問題が起きるとネットメディアに対し、書き込み欄の削除を指示することもある。それにしても「民の声」までも、あらゆる手を尽くして“官製”にしようとするとは。

  (朝田憲祐)