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台北 時代を映した対日観

2010年06月28日

 「はっきり傾向が出てますね」「そうですね」。日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所がまとめた世論調査結果について、ある日台関係筋とうなずき合った。

 台湾の20~80歳の1000人余を対象に最も好きな国はどこかと尋ねたところ、52%の人が日本を挙げ、続く米国8%、中国5%を大きく上回った。

 うなずけるのは、これを年代別に分けたデータ。20歳代58%、30歳代60%ととりわけ高く、40歳代43%、50~64歳45%とやや下がり、65~80歳は54%で再び上昇する。

 大ざっぱに分析すると若年層は日本の若者文化が大好きな「哈日(ハーリー)族」の主体であり、最も高年齢層には日本統治時代に教育を受けた日本語世代が含まれる。そして、相対的に低かった世代は戦後の国民党独裁時代に教育を受けた人たちが中心だ。

 親日ぶりが際立つ台湾だが、世代によって微妙な対日観の違いがある。 (栗田秀之)