2010年04月30日
テヘランであったイラン革命記念日式典。
会場でアハマディネジャド大統領の演説を聴いていたら、驚いたことに、近くにいた中学生ぐらいの女の子たちが車座になり、おしゃべりを始めた。立ったまま演台を見つめる周囲など気にせず、お菓子まで食べている。
女の子の集団は、黒色のスカーフで髪の毛をすっぽり覆う“保守派スタイル”。さっきまで「米国は地獄におちろ」と書いた看板を持ち、大統領登壇の際には歓声をあげていた。報道席近くに配置されたのは当局が現体制を支持する優等生とみなしたからだろう。
女の子たちの振る舞いをもって、式典がやらせとは言えまい。ただ、反米の看板が立ち並び、数万人が革命支持のスローガンに声を合わせる政治色の強い式典だっただけに、お菓子を食べる風景は何だかほっとさせる。
思想信条を問わず、人間だれしも腹は減るもの。できれば私にも分けてほしかった。
(内田康)