2010年08月03日
イラン政府主催の外国人記者向けツアーで南部シラーズを訪れた。メーンは2年前に爆弾テロが起きたモスク。地方取材が難しい国なので参加したが、現場に着いて少し後悔した。国営放送の記者たちが、われわれを待ち構えていたのである。
「反政府分子の極悪非道ぶりに海外記者も驚き」と放送する気なのだ。当局に利用されたようでいい気はしないが2月のイラン革命記念日でも私はテレビ出演した。
式典会場でマイクを向けられ、気軽に「すごい人出ですね」と答えたら「日本人記者も式典の熱気に驚き」と繰り返し放送された。その後、テヘランの街で見知らぬ人に指をさされた。
モスクには被害者の遺族も動員されていた。何も聞かないのも悪い気がして「なぜ、この街が狙われたのでしょう」と質問したら、カメラがにじり寄ってきた。まただれかに指をさされるのだろうか。 (内田康)