2010年08月26日
なぜか、24分の18なのだ。
毎朝乗る地下鉄中央線は1両に24席あるが、実にこのうち18人が新聞を広げて読んでいる。日によって1、2人の違いはあるかもしれないが、自分が数えた日は決まって18人だ。
インターネットの普及による新聞の購読者減が叫ばれて久しい。しかし、多くの乗客が新聞を読むロンドンは別かと、4月の赴任当初はうれしかった。
次の客のために新聞を席に置いていく習慣まである。読むと、政治から事件、芸術まで幅広い。約60ページもあることに感心したが、題字を見てがくぜんとした。「METRO(地下鉄)」の大文字が躍り、横に「FREE」とある。あの人気は無料だからなのか。
そういえば、高級紙インディペンデントが1ポンド(約137円)で売却されたばかりだと英国の友人に話すと、こう言った。「新聞はどうか分からないけど、みな活字が好きなことだけは確かだよ」 (有賀信彦)