2010年09月10日
生活拠点のマニラで、よく交通渋滞に巻き込まれる。すべての車が我を通して前進、身動きが取れなくなることが多い。国民は道路行政や警察への批判を口にするが、問題は交通政策よりも運転マナーだ。
ベトナムのハノイでも先日、ひどい渋滞に遭った。交差点で四方向から一斉に車や自転車が突っ込み、動けなくなる。少しでもすき間が空くと、みなが突っ込む。現地住民が「ハノイ名物だ」と笑った。
騒乱が続いたタイのバンコクに通った。騒乱現場近くのホテルから見える大通りには、全く車が走っていなかった。平時は渋滞するが時折軍用車が走るだけ。銃を手にした兵士しかいない大通りは不気味だ。
たとえマナーが悪かろうとも、交通渋滞は平和の証し。活気あふれる庶民の生活がそこにある。そう思えば、渋滞も腹が立たない-と思うことにしている。 (吉枝道生)