2010年09月28日
ヘミングウェーやフィッツジェラルドなど、多くの作家が集った文学サロンで知られるニューヨークの老舗ホテル「アルゴンキン」。ここにかわいい「看板娘」がいると聞き、会いに出掛けた。
彼女の名はマチルダ、15歳。バーでその名のついたカクテルを数杯飲み、ほろ酔い気分で居場所を聞くと、彼女はロビーの隅ですやすやと眠っていた。
マチルダは白いふさふさの毛が自慢のラグドール種の猫。1930年代にふらっと迷い込んだ猫がすみ着いて以来、彼女で9代目。雄はハムレット、雌はマチルダと名前が決まっているのだそうだ。今や世界中のファンがいて専用のメールアドレスもあるほどだ。
寝顔をずっと見つめていたら、「なでていいですよ」とホテルマン。文豪ゆかりの猫だから、文章がうまくなれるかも。いい記事が書けますように。そう願ってひたすらなでると、マチルダがしつこいなあと言わんばかりに「ニャア」と片目を開けた。
(加藤美喜)