2010年10月03日

　フィリピン南部ミンダナオ島の山中で取材中、急きょ記事を書いて日本へ送信する必要に迫られた。周囲に見えるのは山また山、そして水牛。直近のコタバト市へ戻り、インターネットと電源を探さなければならない。

　こんなとき頼りになるのは軍関係の組織。あわてて向かったのは国際停戦監視団の本部だ。窮状を知って快くネットと電源を貸してくれた。駐在するマレーシア兵が面白がって「何を書いてるの？」とのぞき込んだ。

　以前、インドネシア・スマトラ島へ地震の取材に赴いたとき、救助に来ていたシンガポール軍にネットと電源を借りたことがある。いかつい兵士に囲まれ「シンガポールはいい国ですね。食べ物もおいしいし」と愛想よく話しかけ、急いで記事を書いた。

　コタバトの停戦監視団でぶじに記事を書き上げたが、もちろん周囲の兵士との会話もおろそかにしない。「マレーシアはいい国ですね。食べ物もおいしいし」（吉枝道生）