2010年10月14日
スイスのアルプス観光列車「氷河特急」事故の現場へ向かう山岳道はへアピンカーブの連続。眺めを楽しむ間もなく車のハンドルにしがみつく。一息ついて小さな街並みを抜けるとトンネルへ続くレアルプ駅に着く。
ここから、車ごと列車が運ぶ列車フェリーに。ローヌ氷河を頂くフルカ峠は冬季、雪に閉ざされてきたがトンネル完成でいまは1年中、峠を越せる。
トンネルは反対側のオーバーバルトまでの約15.5キロを約20分で結ぶ。「10年ほど前まで世界一長い山岳トンネルだった」と駅員。トンネル開通で「氷河特急」では白亜のローヌ氷河の風景を堪能できなくなったが路線の人気は高い。
帰路も列車フェリーはトンネルをひた走った。列車事故の被害者への謝罪に沈痛な表情だった会社幹部。なのに原因不明のまま2日後には営業を再開。
トンネルを出て列車を降りたが思いは晴れないまま。そして再びドライブが始まった。(弓削雅人)