2010年11月03日
いつまでも フラニーとヨッヘン-永遠の愛を誓った恋人たちが名前を刻んだ南京錠を橋の手すりの飾り彫刻に付け、鍵を川に流す。イタリアの恋愛小説をまねたブームがベルリンにも遅れてやってきたが、ここではちょっと違っている。
場所は鉄道のフリードリヒ通り駅近くの市街を貫くシュプレー川にかかるワイデンダマー橋。通りがかりの旅行者たちも「ロマンチックね」と思わずほほえむが、流行先進地のローマでは、無数の南京錠が「景観を損ねる」と禁止された。
ベルリンの橋でも増え続けたが、最近になって姿を消し始め見かけるのは数個程度に。誰かが片付けているらしい。市当局は、地元紙に「私たちではない」とわざわざコメント。「恋愛の儀式を知らない人か、はやりの祭祀(さいし)道具狙いの泥棒かも」と妙な推測をしている。
南京錠の行方同様、結ばれた愛の行方も不明になってしまわないことを、ただ祈るばかりだ。 (弓削雅人)