2010年11月25日
元政府高官のインタビューのため、情報技術(IT)産業が集積するシリコンバレーの中核、米西海岸の名門スタンフォード大学を訪ねた。サンフランシスコから南東へ延びる鉄道「カルトレイン」の駅前から無料のシャトルバスに乗る。
「B線の時計回りに乗って。反時計回りはだめだよ」。大学周辺を走るバスは何系統もあり、訪問先の研究所の名を告げると、A線の運転手からそう念を押された。(どうせ循環バスだろ…。どっち回りに乗っても同じだよ)と高をくくって、すぐに来たバスに乗り込んだところ、立ち並ぶ校舎の周りをざっとめぐるだけで30分以上かかった。
日本の私の母校も山を取り囲むように校舎が分散していたが、ほとんどは森。ここは一つの都市だ。後で調べると、敷地は約33平方キロ。東京23区のうち、スタンフォード大より面積が狭い区は15に上る。地元の人の忠告に素直に耳を傾けるべきだった。 (嶋田昭浩)