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ロンドン 滑り芸で大爆笑誘う

2010年12月08日

 週末、友人とパブで待ち合わせた。遅刻してドアを開け一歩入ると、そこはスタンドアップと呼ばれる一人漫才を上演中の舞台上だった。演芸では有名なパブと後で知った。

 漫才師にからまれることになった。ヘイ、日本から来たのかい。あいさつは「コンニチハ」かな。とっさに中国語で「ニイハオ」と返してみたが、満席50人余りの観客は無反応。「笑ってくれると思ったのに」と、ボケてみてもダメだった。頭の中が真っ白だ。ところが、漫才師が困惑した表情を見せると観客は大笑い。こちらも笑うしかなかった。

 スタンドアップをはじめお笑いの舞台は人気が高い。王室、政治家、不況、殺人、テロ事件まで笑いの種になる。普段出さない英国人の本音や汚い言葉を知ることもできる。

 ただ、英国人の知人の助言は身に染みた。「上演中に遅刻して席に着いたり、最前列に座るのは自殺行為。コメディアンから笑いの標的にされる伝統があります」(松井学)