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ソウル ネット調査の御利益

2010年12月15日

 休日の昼、部屋の呼び鈴が鳴った。カメラに映っているのは見知らぬアジュンマ(中年女性)。ドアをあけたら、誰もいないと思いこんでいたらしく驚いた表情を見せた。「人口住宅総調査です」とカバンの中から書類を取って差し出した。

 そう言えば数日前に誰かが玄関ドアにテープで張ったチラシを思い出した。「インターネットで調査のホームページに入って」とアドレスが書いてあったが、面倒と思い何もしていない。アジュンマは家族構成、部屋数などを簡単に聞いた後、帰って行った。

 調査は5年に1回、11月に行う韓国版国勢調査だ。某通信社の記事は、ネット調査に応じた世帯は全体の40%に達する勢いでカナダの18.5%を抜き世界最高だ、として「ネット強国を立証した」と胸を張っていた。きっと理由があるはずと調べたら、「ネット調査に応じれば子女の成績にプラスになる」とあった。学歴重視の教育強国も立証されたのだった。 (築山英司)