2011年01月06日
「欧米諸国はロシアの国力を疲弊させるため、恐るべき陰謀を実行し、ロシアにワールドカップ(W杯)開催をもたらした」-。サッカーW杯の2018年大会のロシア開催が決まった直後、インターネットでこんなアネクドート(小話)を見つけた。14年のソチ冬季五輪に続く巨額財政負担を問題視したものだ。
「交通インフラや会場整備費を抑え、W杯予算のトップ項目は“官僚へのわいろ”になる」。こんなのもあるが支局のロシア人助手には「真実を取り上げても小話にならない」と不評だった。
じゃあ、これは。
「プーチン首相は旅客機でスイスの国際サッカー連盟(FIFA)に向かい開催に感謝した。用意していた爆撃機は必要なかった」。首相の強権体質を皮肉る力作だ。
庶民が権力への本音を忍ばせてきたアネクドート。W杯開催に国中が祝賀ムードというわけでは無さそう。(酒井和人)