2011年01月11日
「カタールみたいな小さい国で、本当にできるのかねえ」
2022年のサッカーのワールドカップ開催地決定から数日後、テヘランの喫茶店で会った20代の男性は、海を挟んだ隣国カタールが招致レースを勝ち抜いたことに、面白くなさそうだった。
紀元前から栄えたペルシャ帝国の末裔(まつえい)であるイラン人。ペルシャ語を守り続けた長い歴史に誇りを持つ一方、独立から日が浅い周辺のアラブ諸国をちょっと見下す傾向にある。サッカーでもイランはアジアの強豪だが、日本や韓国が相手ならともかく、近隣のサウジアラビアあたりに屈すると、みんな荒れるという。
誇り高さは、核開発の問題にも影響していそう。適当なところで折れないと米国から空爆されるんじゃないかと、イラン人通訳に水を向けたら「攻撃などできるわけがない」と一蹴。「米国は苦労してるじゃないですか。イラクみたいな国が相手でも」と語っていた。(内田康)