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ベルリン ずさん鉄道に黄信号

2011年02月14日

 年明け早々から、ベルリン市民のぼやきが収まらない。都市鉄道Sバーンが車両点検で大幅に運行数を減らしたからだ。おまけに運賃もアップされ、怒り心頭に発した。

 そもそも運行会社のずさんな安全管理による車輪やブレーキの異常が見つかり、足かけ3年目に突入した不祥事。今回は約560編成ある車両の3分の1しか運行できず、4区間は営業停止。

 通勤、通学には大迷惑。市内の高校生(17)は主要駅で「いつ学校に着けるか分からない」と心配顔だった。

 メディアは一斉に運行会社や市当局を批判。新車両購入など解決策を例示してはみるものの、資金などで現実性がない。大衆紙ビルトは、読者が書き込める抗議用紙を紙面に印刷した。

 運行会社は、運賃還元など利用者への「おわび」をメディアに予告しているが、他方で値上げでは説得力も乏しく、後手後手に回る対策は一層、イメージを落としている。(弓削雅人)