2011年03月04日
初めて訪れた台北市で都市高速鉄道(MRT)駅近くにある大手の本屋さん「誠品書店」に立ち寄った。小ぎれいで広々とした店内。小説から専門書、雑誌、洋書までさまざまな書籍がびっしり、しかも整然と並ぶ。
日本人作家の作品も多く、店の人によると、かなりの人気。店内表示でも「翻訳文学」の売れ筋ランキングの上位は日本の作品が独占していた。
ところで、店内を見るうち驚いた。洗練されたレイアウトや豊富な書籍類の中で、たくさんの人たちが床に座り込んで本を読んでいるではないか。若い女性も堂々と足を伸ばし本を広げている。店員も一向に気に留める様子がない。もちろん、はたきをかけるようなこともしない。
立ち読みに寛容とは言い難い日本の書店で座って読んだらどうなるか。日本文化があふれる台湾だが南国特有の寛容な民族性が底流にあるような気がした。(藤川大樹)