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石家荘 新幹線ガタンゴトン

2011年03月30日

 中国河北省石家荘駅で中国版新幹線「和諧号」に乗り込む際、思わず「えーっ!」と叫んだ。

 ある座席の窓が、枠に沿って粘着テープで目張りされていたのだ。駅員いわく「詳しくは知らないが、走行に支障はないはずだ」。窓ががたつく不具合でも起きたのか。時速200キロを超す高速鉄道。安全面からみて「中国らしい」と片付けられる話ではないはず。

 日本の技術をベースに開発された和諧号。白と青を基調にした流線形の車体も新幹線そっくり。昨年末には最新車両のテスト走行で486.1キロを記録し、新幹線を追い抜いたという報道があった。担当者は「中国が独自開発した技術だ」と胸を張っていた。

 手元の切符の座席番号を確認すると、幸いくだんの窓がある車両ではなかった。だが発車後、背もたれを倒し腰を浅めにかけ直したら、ガタン。座席が前にずり落ちそうになった。 (朝田憲祐)