2011年08月12日
「西安に行ったらぜひ、夜市で海鮮を。オススメはカキです」
出張先の西安で、中国暮らしが長い日本人の知人の言葉を思い出した。が、手元のガイドブックでは、食の名物は「ギョーザ」とあるだけ。それに内陸部の西安でカキはちょっと…。とはいえ、話のタネに、のぞくだけのぞいてみないと。
そこは市中心部の路地の一角にあった。通り沿いには小さな露店が軒を並べ海鮮がずらり。殻付きのカキも山積みになっていた。
「カキ、大丈夫?」と、隣でホタテを網焼きしていた店主におそるおそる尋ねると、「流通網が発達してるから新鮮だよ。腹なんて壊さないよ」。
その言葉を信じ、2個だけ注文。ビールを飲みながら待つこと5分。出てきたのは、刻みニンニクがたっぷりとかけられ、身がぷっくりした焼きガキだった。熱々のうちにむさぼると、カキの風味にニンニクの香ばしさが相まって、何とも。ビールにも合った。
自宅のある北京では、こうした夜市は今やほとんど見られない。知人に感謝しつつ、もう少し欲張ってみることにした。
再び、食材が並ぶ棚へ。「いけるよ」と勧められたのは、真っ赤なザリガニ。ハサミをガシャガシャ動かしていた。隣ではカイコのサナギがもごもご。どっちも遠慮させてもらった。(朝田憲祐)