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ロサンゼルス 土産店起死回生狙う

2011年06月10日

 ロサンゼルスのダウンタウンにある同郡検視局の建物。数十年前になるがマリリン・モンロー、ロバート・ケネディ、ウィリアム・ホールデンの遺体が運ばれてきた。それを調べて鋭い考察を発表し、一躍有名になった検視局長トマス・ノグチ博士とは同姓のためか一時親しかった。

 最近ではマイケル・ジャクソンの遺体が運び込まれた。有名無名関係なく遺体は引き出し状の棺おけに一時保管、解剖され死因を探る。遺族や関係者が涙する場所でもある。

 建物の一角にあるのが、スケルトンズ(骸骨)という名の土産ショップ。遺体収容袋が20ドル。頭蓋骨の形をした名刺ホルダーやコロナー(検視官)と書かれたTシャツ、マグカップもある。

 1番人気は実物大のヒトの輪郭が描かれたビーチタオル。30ドルだ。20年ほど前にオープンした時は大人気で、10代の飲酒運転防止プログラムに資金を回せた。だがいまは人気は落ちる一方。ついに一部商品発注には公的資金まで使うようになった。

 頭を抱えたショップは最近ネットを利用し始め、フェイスブックやイーベイ(オークションサイト)などで少しずつ挽回。実際に使っている検視局のロゴ入りメモ帳、ペン、トレーナーも売り出し、収益に大きな期待をかけているが、さてどうなるか。(野口修司)