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ソウル 躍動の源!?傍若無人

2011年07月16日

 韓国の子供たちは傍若無人だ。先日、ソウルの銭湯で適温の湯につかっていると、激しい水しぶきを突然、顔にかぶった。未就学児と思われる男の子2人が浴槽に飛び込んできたのだった。父親と思われる男性は無関心で子供は浴槽で大騒ぎを続けていた。

 別の日には、地下鉄車両に両親といっしょに乗ってきた4、5歳の兄妹が座席に上がって手すりにぶら下がって遊んでいた。やはり両親は注意するそぶりをみせなかった。

 2、3歳の男の子がスーパーで、商品のプチトマトを包装ラップの上から指でつぶしていたのを見た時は驚いた。さすがに若い母親がやめさせたが、しかりはしなかった。

 不思議なのは勝手気ままに振る舞う子供に対し周囲の大人たちが意に介している様子がないことだ。同僚いわく、「細かいことを気にせず、すくすく育てることが大事という考えが定着しているとか」。

 日本で教育を受けた韓国人の子が帰国すると、おっとりした性格が順応を妨げる、と聞いたことがある。日本では集団秩序を優先する傾向が強いためだろう。

 躍動感あふれる韓国は“傍若無人”な子どもたちのおかげなのだろうか。それにしても彼らが近づいてくると気分が何となく落ち着かなくなるのだ。 (城内康伸)