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北京 外食の作法食い違い

2011年07月27日

 北京中心部の日本食レストランに、日本人の友人2人と食事に出かけた。値段は少し張るが、刺し身は新鮮で煮物の味付けもよく、化学調味料の味もせず体にやさしい店だ。

 しかし、残念なことが一つ。日本人特有の「ちょっと残し」で、3人ともが心の中で狙っていた(だろう?)タイの刺し身が残った皿を、ウエートレスが何も言わずに下げようとしたからだ。

 「ちょっと待った」。ウエートレスの腕をつかみ、「まだ残っているのに何で持って行くんだ」と文句を言うと、ポカンとけげんな顔をしている。「サービスしただけなのに」と不満そうだ。

 中華料理は品数が多く皿が大きいため皿の上に皿を重ねていく。皿の裏側がおかずに触れ日本人にとってみればいかにも不衛生だ。しかし、中国人は気にしない。ウエートレスは料理を“速攻”で出し豪快に皿を重ねた上、料理が残った皿でも気にせず“強奪”する。

 逆に、中国人の友人に聞くと、日本料理はいろいろと気に入らないらしい。「一品一品の量が少なく、味が薄く物足りない」のに加え、コース料理だと出てくるのが、だらだらと遅いという。

 味はある程度、教えればマスターするのだろうが、日本人の「ちょっと残し」文化までは、なかなか教えるのは難しいのだろうか。 (安藤淳)