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西寧 友好アニメ長編願う

2011年10月20日

 中国内陸部の青海省西寧で先日、日本のアニメ映画の上映会が開かれた。日本大使館が主催する文化広報活動の一環。若者たちが興味を持ちそうな映画や音楽を通して、現代日本の姿を伝える。若き日本ファンを1人でも増やし、将来の対日関係の構築に役立てようという地道で息の長い狙いもある。

 北京や上海と違って一般の人が日本人と接する機会もめったにない。大学などを通じて上映会の案内ちらしを配ったが、参加の申し込みは数人で、一時は開催が危ぶまれた。

 しかし日本語を学ぶ学生や外国語教室関係者の協力もあり、ふたを開ければ用意したいすが足りなくなるほどの盛況。アニメは若者の恋愛を描いた内容で、年配者にはやや分かりにくかったが、20歳前後の中国人の男女50人ほどが中国語字幕付きの画面に見入った。

 会場に来た19歳の陳さんは日本アニメとアイドルグループ「嵐」のファン。インターネットを通じて興味を持った。両親の勧めで、この秋から公務員の養成学校に入学したが、将来は別の夢がある。「お金をためたら日本語を勉強し、絶対に日本に行く」

 パソコン画面でしか見たことのない日本を「絶対に良い所だと思うな」。この国でこうも素直に言われると、やっぱりうれしくなる。 (渡部圭)