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サンフランシスコ 真剣洋風チャンバラ

2011年10月26日

 毎週土曜日の午後、洋風のチャンバラごっこで走り回っている一団がいる。中世の騎士を模した自作の衣装をまとった男女は、ほとんどが成人だ。たたかれても痛くない剣などを振り回している。

 “戦場”はサンフランシスコ郊外の公園。適当な起伏と木立があるので、スペクタクル映画の戦闘シーンに飛び込んだようだ。一団は、テキサス州に事務局を置く非営利団体アムトガードの支部メンバーで、スポーツとしての戦闘でさわやかな汗を流している。毎週十数人が集まるという。

 日本のスポーツチャンバラは剣道のように「面」が技の一つだが、米国では首から上への攻撃を禁止し、顔に防具を着けない。

 10代の娘と一緒に参加している沿岸警備隊勤務の男性が「映画を参考にして作った」という衣装には、古代文字らしい柄が描かれている。娘の「この剣が曲がっている」と言う声に「後で直そう」と答える顔は、役者になりきっていた。

 書記を担当する団員は、参加申込書やルールブックを見せてくれた。敵側の旗を奪って陣地に持ち帰るゲームなど、数種類の団体戦がある。たまにはカリフォルニア州都のサクラメント支部へ遠征する。「風の日も雨の日も集まる」と言う表情は純真な騎士だった。

  (岡田幹夫)