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バンコク 改善でほほ笑んだが

2012年06月12日

 タイの表玄関、スワンナプーム空港。ここの出入国審査の混雑ぶりは有名で、知人と「俺は○○分待たされたよ」「俺はこんな場面に遭遇した」と“自慢”し合うほどだ。私の自慢は、早朝の国際線に乗るため空港に着くと、出国審査カウンターに向かい50~60メートルの長蛇の列ができていたこと。帰国時に入国審査で約1時間待たされたこともある。

 素人目にも混雑の理由は明らかだ。審査を担当する係官の数が少なく、窓口が全て開いていないことに加え、利用客を「1列待ち」にし、空いたカウンターへ誘導する対策もないからだった。

 やはり苦情が殺到していたようだ。空港側は改善すると発表した。それから初めて利用した時のこと。出国審査場は見慣れた光景が一変して1列待ちに。帰国時の入国審査ではほぼ全ての窓口に係官が座り、わずか数分で通過できた。たまたま利用者の少ない時間帯だったのだろうが、正直驚いた。

 「やればできるじゃないか」とうれしくなったものの、入国審査に1時間以上かかると踏んで迎えの車を呼んでいたため、手持ちぶさたな時間を過ごすことに。こんな時、タイ人のように「マイ ペン ライ(気にしない)」と笑い飛ばしていられたら、空港の混雑に腹を立てることもなかっただろう。 (寺岡秀樹)