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北京 安かろうやっぱり…

2012年07月12日

 オフィスの近場で取材や買い物に使う自転車を買おうと、北京の外資系スーパーに出かけた。事務所の中に置ける折り畳み式にしようと自転車売り場を探すと、さすが自転車王国、たくさんの自転車が並ぶ。

 その中で1台180元(約2200円)ほどの折り畳み式自転車が目についた。日本より物価が安いとはいえ、最近は千数百元する高級自転車も珍しくない。普通の自転車でも200元以下は少ないだけに「これはお値打ちだ」とほぼ買う気持ちになっていた。

 ところが、売り場の店員に「この自転車の品質はどうか」と尋ねると、店員は「これを買うの? だめだよ」と首を横に振る。続けて「どうしても買いたいなら止めないけど、これに乗って自転車が壊れても、転んでけがしても知らないよ」とまで言う始末。

 私が「品質が悪いのに、なぜ売っているんだ」と聞くと、店員は「店が仕入れたからしょうがないさ」。あまりにも率直な物言いに苦笑してしまった。

 でも世界有数の外資系スーパーで、品質に問題がある商品を本当に売るだろうか。店員は単に売るのが面倒くさかっただけなのではないか。そんな疑念を抱きながら、別のスーパーで300元の折り畳み自転車を買った。今のところトラブルなく便利な生活の足となっている。 (新貝憲弘)