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ソウル 色論白黒つけられず

2012年07月25日

 直訳すると「色論」と呼ばれる論争が、韓国政界で沸騰している。考え方が北朝鮮に近いかどうかで「色分け」をする。

 始まりは野党第二党・統合進歩党の比例代表候補選びをめぐる不正調査。不正にかかわったとして党から辞職要求された二議員がこれを拒否すると、過去に親北朝鮮とされる団体に属していた経歴などが論点になった。

 その後、学生時代に無許可訪朝した最大野党・民主統合党の議員が脱北者を罵倒したことが発覚。保守勢力が両党を「従北勢力だ」と批判、野党側は「色論をあおっている」と反発している。

 軍事境界線を挟んで北朝鮮と向き合う韓国では、国家観は重要だ。友人らの集まりでも時々この国のあり方をめぐる議論になる。そんな時、外国人はどうしても議論に加わりにくい雰囲気になる。

 ところで、別の「色論」も激化している。半年ほど前、真っ赤なスープが主流の韓国インスタントラーメン界で、白いスープのラーメンが売れているとの話を紹介した。最近では「白系」の勢いが止まり、「赤系」が盛り返しているのだ。

 友人に「赤白」の好みを問うと、たいてい製品名を挙げながら熱く語る。単身赴任中でよくお世話になるラーメン。こちらの「色論」では、記者も思い切り持論を展開している。 (篠ケ瀬祐司)