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ソウル 韓国版「丑の日」熱々

2012年10月19日

 品薄による価格高騰や代用品によるかば焼き。うなぎ好きの1人として「土用の丑(うし)の日」をめぐる日本からのニュースに心を痛め、何とか「この日」にかば焼きを食べようとの執念に頭が下がる思いだった。

 韓国でもうなぎを食べる。安くはないが驚くほど高くもない。日本の皆さんには申し訳ないが、気軽に楽しんでいる。通常かば焼きにせず、さばいてすぐ、長いまま焼き肉用鉄板に載せる。店員が目の前でしょうゆやコチュジャン(唐辛子ミソ)を塗ったり、塩を振ったり。食べやすく切って、葉野菜に包んで頬張る。ふんわりしたかば焼きもいいが、川魚のような風味やカリっとした歯触りの「うなぎバーベキュー」もかなりいい。

 うなぎの代わりに、当地の人たちが夏ばて予防に食べるのが参鶏湯(サムゲタン)だ。

 陰暦の6~7月の間「初伏(チョボク)、中伏(チュンボク)、末伏(マルボク)」と3回。かつては犬肉だったが、最近は鶏の腹部にもち米や朝鮮ニンジンなどを詰めて煮込む参鶏湯で、夏を乗り切る体力を養おうとしている。

 今年の「初伏」は7月18日。支局裏の参鶏湯専門店に行ってみると、午後1時半というのに店外まで行列が続いていた。「末伏」の8月7日も満員。夏ばて予防や「この日」にかける執念は日韓共通のようだ。

(篠ケ瀬祐司)