2012年10月25日
ワシントンの真夏はかなり暑い。今年は最高気温が40度近くになる日もたびたびあった。湿度も高く、まるで熱帯並みなのだが、鼻風邪がなかなか抜けず困っている。
原因はオフィスや地下鉄内の冷房だ。炎天下から汗まみれになって駆け込めば、そこは別世界の涼しさ。一瞬は快適だが、しばらくたつと体が芯から冷えてくる。
オフィスが入っているビルの室温は22度前後に調整してあるらしい。取材先で20度の室温設定に震え上がることも珍しくない。
当地に駐在する日本人の間でも、この異常なまでの寒さは話題のタネ。裏地のない夏物ジャケットでは寒さをしのげず、室内ではフリースを着込んで防寒対策をしている。
原因はよく分からない。米国人男性には暑がりが多いような印象があるが「寒くて、健康に悪いと思うわ」という女性もいる。
いろいろ考えるうちに、このぜいたくなエアコン使用は、恵まれたエネルギー事情が最大の原因だと思い至った。日本では常識となっている「節電」という言葉を、この国ではあまり耳にしない。
先日、夏用の麻のジャケットを購入し、裏地があることに気が付いた。なぜか、怒りが湧き、再び節電の夏を迎えた日本を思った。もっと資源を大切にしようよ。アメリカ人。
(久留信一)