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ロサンゼルス 断ち切れない求心力

2013年03月08日

 海外で一生懸命日の丸を背負って働いていた日本人10人が、アルジェリアのテロ事件に巻き込まれて死亡した。ご冥福を祈りたい。

 テロの目的の詳細はまだ不明だが1つだけテロ犯リーダーが明確に求めたものがある。米国で服役中のイスラム教指導者アブデルラーマン師の釈放だ。

 筆者は1990年代から国際テロ組織アルカイダ元指導者、ウサマ・ビンラディンの右腕にロンドンで会うなど取材を続けてきた。アブデルラーマン師の側近にも会い、世界でもまれな独占獄中インタビューも実現した。

 同師は93年にニューヨークの世界貿易センタービルを爆破、終身刑になりミズーリ州の連邦刑務所に入っていた。盲目のエジプト人だ。ファトワという宗教的な裁断・命令が出せる同師は筆者とのインタビューで「米への攻撃を継続する。息子はウサマと共に活動している」と言った。

 2001年、旅客機突入で同ビルが崩壊する米中枢同時テロが起きた。同師がビンラディンに実行させたともいわれる。ビンラディンを失い弱体化したといわれるアルカイダ系組織は依然、同師の求心力を求めているとみられる。インタビューは当時、司法省、監獄局などの許可を取り実現したが現在、米当局は同師の居場所さえ明らかにしていない。(野口修司)