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仁川 文化混ざり「国民食」

2013年03月10日

 「韓国の国民食」と呼ばれるチャジャンミョン。中国や日本のジャージャーめんとは違い、チュンジャンという黒いミソと豚肉、タマネギなどをいためたソースを、ゆでためんとよく混ぜて食べる。

 甘めの濃厚ソースは子どもから大人まで大人気。友人は「軍隊生活で最初に恋しくなった料理だった」と話していた。

 発祥の地は仁川・チャイナタウン。かつて清国からの華僑が、山東地方の料理をアレンジし、華僑から韓国の庶民に広がった。こうした知識は仁川のチャジャンミョン博物館などで仕入れた。

 博物館には料理の歴史や作り方に加え、即席チャジャンミョンが展示されていた。

 袋ものからカップものまで、年代別にずらり。2000年に語学研修で下宿暮らしをしている時にお世話になった銘柄もあり、うれしくなった。同年代同士が子どものころのテレビ番組や流行歌で盛り上がるように、この「ある、ある感」も、国民食としての地位を固める要素の1つになっているのだろう。

 2月14日のバレンタインデー、3月14日のホワイトデーに縁のなかった男女が、4月14日に真っ黒なチャジャンミョンを食べる「ブラックデー」の催しも定着している。中国料理を受け止めて自国流に味わい、楽しむ。頼もしい限りだ。 (篠ケ瀬祐司)