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ワシントン 虹色星条旗はためく

2013年04月26日

 大理石の重厚さが無言の権威を感じさせる連邦最高裁前はお祭り騒ぎだった。米国を二分する大問題、同性婚の合憲性を問う審理が開かれ、支持者数百人がデモ活動を展開。ロックミュージックが流れ、同性愛のシンボルである鮮やかな虹色に染めた星条旗が高く掲げられた。

 派手なデモ活動の中で、朝4時の電車に乗って駆けつけた女性教員のコノリーさん(37)は真剣なまなざしだった。米海兵隊の女性大尉と9年間付き合って、2カ月前に結婚したという。

 州レベルでは合法の結婚。しかし、国レベルでは、まさに審理の対象となっている「結婚防衛法」で違法とされている。「配偶者は海外で展開中の作戦に参加しています。でも、同性婚が認められていない軍では、私は法的に全くの他人」と訴えた。仮に作戦中に戦死したとしても、死亡通知は同性婚の伴侶には届かない。住宅手当、死亡保険金、医療費の親族資格も同等の扱いではない。

 手元に、ワシントン・ポストが調べた上院議員の同性婚支持・不支持に関する変化のデータがある。2000年初頭には5人もいなかった支持議員が、世論の高まりを受けて10年ごろから急速に拡大。今では定数100人の半数に達している。同性婚を支持する勢いは止まりそうにないと感じた。 (斉場保伸)