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台北 多彩な病院サービス

2013年04月24日

 数年ぶりに喘息(ぜんそく)の発作が起きて、1カ月近く2つの病院に通う羽目になり、おかげで日本と少し違う病院の「サービス」が分かった。まずは台湾大学付属病院。初診の受け付けは日本と同じ、患者でいっぱいだった。うろうろしていると「初診ですか?」と黄色いベストのボランティア。「これに書いて、あの窓口へ」と親切。ベスト姿は院内のあちこちにいて道案内もする。

 内科の窓口もいっぱい。診察が始まってまだ10分しかたっていないのに、受付番号は「28」。番号札(紙)には1から10までは9時台、11から20までは10時台・・・と書いてある。28だと2時間待つ計算。ちょっと外出を、と看護師さんに断ると、「あなたそこで待っていて」といわれた。待ちきれずに帰る人、遅刻する人もいる。町医者の紹介状の効果だろう、そこへ割り込ませてくれた。

 突然の目まいで歩行困難になり、タクシーで急患窓口に運び込まれた私立の長庚病院も患者でいっぱい。担架に乗せられたが診察室に入れず、廊下で注射を2本、そして点滴。2時間後、帰る時の支払いは自動支払機。待ち時間はほとんどない。この病院の入院病棟には患者のための仏間とキリスト教の礼拝室もある。いい精神状態を保つために祈りは必要なのだとか。確かに病は気からという。(迫田勝敏)