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ワシントン 「日本製」の人気健在

2013年06月17日

 派手なリズムの民族舞踊や伝統物産の即売、試食会。ワシントン中心部の大使館が集まる「エンバシー・ロウ(大使館通り)」一帯は、即席の万国博覧会会場となった。日ごろは固く門を閉ざす外交の拠点が1日だけ敷地や建物の一部を一般開放した。

 世界政治の中心地とも呼ばれるワシントンは最も多くの国が大使館を構える都市だ。地元の観光局と協力し、6回目の今年は44カ国がこのイベントに参加した。

 日本大使館前はひときわ長い人の列。今、日本が世界にアピールしたい「ウリ」は何か、がよく分かる。JR東海はリニア中央新幹線、三菱重工業は国産小型ジェット機「MRJ」の模型をそれぞれメーンに据えた。中庭にはトヨタ自動車やホンダがまだ市販していない環境対応の自動車を展示。どのブースも、担当者が来場者と気軽に会話をしていたのが印象的だった。

 全大使館を見たわけではない。が、これほどの先端技術を並べることができる国はそうそうない。そこが個性的で、目立っていた。

 会場で配布していた「JAPAN」印のバッグに資料を入れて通りを歩いていると、擦れ違う人に何度も「日本大使館、あっちですか」と聞かれた。新しいものを生み出す力もまた、人々を引きつけるのだと実感した。 (斉場保伸)